「禁煙支援士」とは
禁煙支援士は一言でいうと、「禁煙を希望する人を支援する専門家」です。日本禁煙科学会は2008年に「禁煙支援者認定制度」を開始し、2012年に現在の「禁煙支援士」制度に改称して運営をスタートしました。この資格は、初級・中級・上級の3段階に分かれており、取得後はスキルを積み重ねることでステップアップが可能です。
禁煙支援士の主な役割は喫煙習慣が根強く、なかなか禁煙できない人を心理学に基づいてサポートし、禁煙環境を整えることです。喫煙者の気持ちを否定せず、個々の状況に合わせて禁煙への意欲を引き出し、習慣を変える手助けをします。治療や手術を控えており、禁煙が必要な患者も多いため、その重要性は年々増しています。
どうやって禁煙支援士になるのか？
禁煙支援士になるには、いくつかの要件を満たし、所定のプロセスを踏む必要があります。まず、日本禁煙科学会の会員になることが必須です。次に、初級・中級・上級に応じた講習会に参加し、禁煙支援に関する知識や技術を習得する必要があります。研修後、試験に合格すれば資格が取得でき、禁煙支援を行う専門家として活躍できます。ただし、資格には有効期限があり、5年ごとに更新しなければなりません。更新料は資格の種類によって異なるため、注意が必要です。
難易度とメリット
禁煙支援士はそれほど難易度は高くありません。一定の専門知識と実践的なスキルが求められますが、試験の内容は「禁煙指導・支援者のための禁煙科学」に基づいているので対策しやすく、比較的簡単に取得できます。中級・上級の資格は年に2回、申請の機会があり、実績を積めば1年で上級資格を取得することも可能です。
禁煙支援士の資格を取得するメリットは他の資格と比べて難易度が低く、費用もそれほどかからないことです。また、企業で働く産業看護師にも非常に有用です。なぜなら、近年、多くの企業が社員の健康管理や保険料削減を目的に禁煙支援を強化しており、禁煙に関する知識が求められているからです。禁煙支援士の資格があれば活躍の幅が広がるでしょう。それに専門性を高めることで転職も有利に進めることができます。
現状と今後の展望
喫煙が公共の場で制限される現代において、喫煙者の数は減少傾向にあります。それに伴い、禁煙を希望する人も増えており、禁煙外来の需要が高まっています。今後も禁煙を希望する人の数はさらに増えていくと予測されるため、禁煙支援士の役割はますます重要になることでしょう。
