そもそも「禁煙外来」とは?

禁煙外来とはどういったものか

禁煙外来とはどういったものか

禁煙外来について詳しく解説

「禁煙外来」とは、タバコを辞めたい人を対象とした専門外来です。喫煙者が無理なく禁煙できるよう、医師や看護師がサポートしながら専門的な治療を行います。
タバコにはさまざまな有害物質が含まれていますが、その中で禁煙を阻害する主な原因といわれているのが「ニコチン」です。多くの喫煙者はニコチンに依存し、「ニコチン中毒」という病気を発症しています。そのため、2006年4月から禁煙治療はニコチン依存症の治療として保険が適用されるようになりました。
風邪が治らず耳鼻咽喉科に行ったり、うつ病になってメンタルクリニックに通ったりするのと同様に、喫煙が辞められない場合は禁煙外来を受診することが推奨されています。多くの医療機関で禁煙外来を設けており、その数は2020年9月時点で17,200を超えています。

治療スケジュールについて

禁煙外来の治療スケジュールについて見ていきましょう。厚生労働省の禁煙治療のページによると禁煙外来の標準的な治療スケジュールは12週間で5回の通院が必要というプログラムですが、これは喫煙者のニコチン依存を段階的に解消していくため、定期的な診察とサポートが必要だからです。
具体的なスケジュールは、初回の診察を終えた2週間後に2回目、さらにその2週間後に3回目、4回目は4週間後、最後の5回目は12週間後となります。このスケジュールを通じて患者は自分の禁煙の進捗状況を確認し、必要な支援を受けながら治療を進めることになります。

治療の成功率について

禁煙外来を利用することで禁煙に成功する確率は上がるのでしょうか。治療方針や使用する薬によって進捗が異なるため、必ずしも「上がる」とは断言できませんが、禁煙外来での成功率は60~80%程度とされているため、確実に禁煙したい人には効果的でしょう。自力で禁煙を試みる場合の成功率は約10%、つまり、10人中1人しか成功しない確率なので、「禁煙外来のサポートは非常に効果がある」といえます。

対象者

禁煙外来は禁煙を希望するすべての人が受診できます。しかし、禁煙補助薬の使用に関しては一部の人には適さない場合があるので注意が必要です。たとえば「ニコチンパッチ」を使用する場合、妊娠中や授乳中の人、心疾患を抱えている人、重篤な不整脈のある人は使用できません。
また、「バレニクリン」の使用に関しても、稀に「めまい」や「傾眠」といった副作用が報告されているため、運転や危険を伴う機械操作などに従事している人が使用する場合は注意が必要です。

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